八百万(やおよろず)の神とは、簡単にいうと、何にでも神が宿っ
ておられ、数多くの神々がおられるのだという事です。
古事記、日本書紀などには、たくさんの神々が登場し、大国主命や
素戔嗚尊など、有名な神様もご活躍になります。
一方で、それぞれの村や家に、代々伝わり、信仰されてきた神々も
おられます。
台所の神様、トイレの神様、井戸の神様などなど、旧家では今でも
家のあちこちに神様が奉られています。
食物を煮炊きするために欠かせなかった竈(カマド)には荒神さま
が奉られ、井戸の脇には水神様が奉られていました。
これらの神々は、ただ火の神、水の神というほかに特に固有の名前
をお持ちではありません。
火と水は人々の生活に欠かすことができず、そのためこれらの守り
神は、古くから人々に信仰されてきました。
古事記などの神話に登場する神々は、確かに有名でメジャーな神々
なのですが、名は無くても人々に根強く、そして日本人の神への
信仰の根源を示すような神々が家の中には祀られているのです。