端午の節句もまた、ひな祭りなど古くからの風習と同様の歴史を持つ
行事です。
約1千年前の平安時代、日本に伝わり、宮中において災難除けの重要な
お祓いの儀式として季節の節目に行われたものです。
菖蒲が使われるのは、中国でこの日に薬草を食したり、玄関に飾るなど
して厄除け、健康を願う祭りがあり、この影響を受けています。
さらに粽(ちまき)も端午の節句の元とされる中国の故事からのもの
です。
鎌倉時代「菖蒲」が「勝負」にかけられ、武士の行事となり、宮中での
行事は衰えました。
江戸時代武士の間で、長子誕生の祝いの行事としても盛んに行われ、
幕府の行事ともなりました。
兜を飾ったり、鯉のぼりをあげる風習もこの頃のものです。
これらが庶民にも伝わり、現在のように広く行われるようになりました。
地主神社の例大祭地主祭りでも氏子の子弟による武者行列がでます。
京都の多くの神社でも、武者行列がでるのは、この風習の影響をうけた
ものでしょう。
端午の節句も、中国の影響、神道、宮中行事、武士や庶民の風習など
様々な文化が積み重なって今に伝わっているのです。