北の座は、神道では一番位の高い方位とされます。
地主神社ご本殿も北の座のもっとも貴い位置に祀られています。
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なぜ北が宗教的に貴いとされるのか?
それは中国から伝わった北極星への信仰が起源といわれます。
夜空の星は東から西へと回っているのですが、
北極星だけは、まるで宇宙の中心であるかのように
動きません。このことから、古代の中国の人々は
北極星を全宇宙、すべての存在の根本、根源であるとして
信仰したのでした。
このような星の運行に基づいて未来を予測したり
占ったりすることは、当時は宗教というより
むしろ最先端の科学でした。このような中国の
進んだ思想を日本の政治や祭祀に取り入れ、
完成させたのが、天武天皇ともいわれます。
一方で、日本古来からの祭祀のあり方も残されました。
北に対し東を神の方位とするのが、日本古来の
信仰とされます。
お札は北側か、西側に祀るとされます。
東西は逆になっていますが、このような
作法にも中国からの思想と日本古来の
信仰が融合しているようです。
地主神社境内の「恋占いの石」は本殿前に
東西に向かい合ってあります。
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この石への信仰は、日本古来のものです。
地主神社においても、当時最先端であった中国の思想と
日本古来の信仰が、交差し融合した痕跡があるのです。